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Beast Wars:ワス→タラ+クイスト
(2007/01/15)あの子はあの子でいろいろ考えてると思う、という話。
実際の彼はタランスの事かなりどうでもよさ気だが。
実際の彼はタランスの事かなりどうでもよさ気だが。
クイックストライクはタランスの研究所の調査は進んでやるとか言った。僕ちゃんは、あのお部屋には玩具が沢山あるから、おこぼれに預かろうとしてついていった。
湿った暗〜い地下室には、まだタランスの匂いがした。
クモくんが死んで三日が経っていた。
…分かってるぶん。
死んだんでしょ?
騒ぐ程の事じゃない。
終わりなんて来ないから。
だってまだ匂いがする。
「んでェ?タランスは一体どこで死んだギッチョン?」
ずかずか部屋に入りながらクイックストライクは僕ちゃんに聞いてくる。
「僕ちゃん覚えてるぞ〜、蜘蛛さんは一等最初に発見した蟻さんが捨てちゃったけど、蟻さん、パソコンの横の「エネルギーぞーちょー装置」の前で爆発しちゃったって言ってたぶ〜ん。見たかったぶ〜ん僕ちゃん花火大好きだ〜。」
クイックストライクは「この辺かぁ?」とか言いながら装置をぺたぺた。指紋つけないでくださーい捜査出来ませーん、なんて僕ちゃんが言っても、無視してぺたぺた。
「足はどこに捨てたかって聞いたかい?」
ついには新しい話題とか出したりする。
「知らないぶ〜ん、ぜんぶぜんぶインフェルノが片づけちゃったぶ〜ん、それよりお調べするんじゃないの?ぶ〜ん」
「ギィーッチョ、そいつぁざんねん」
全然残念そーじゃない。にこにこぺたぺた。僕ちゃんのお叱りも全然気にしないんだ。
でも何で残念?あいつは目がなんかうっとりしてる。ぺたぺた。
クイックストライクが装置の前で立ち止まった。
「蜂さんはタランス先生、知ってんの?」
「ぶ?当たり前だぶ〜ん知ってるぶ〜んデストロンに入って来た時から見知ってるぶんっ」
「ま、そらある訳ねぇなぁ……ギッチョン。だめだあの人ぁ……うますぎた。惜しいねぇマジで惜しい。ホント…勿体ねぇって、ああ」
思い出すような目で呟く。その目がなんでか嫌な感じがした。不思議だなって思いながら見てたら。
凄くびっくりした。
あいつ、いきなり地べたに這い蹲りはじめてんの。
僕ちゃんびっくりだよ。何やってんだろ。お腹痛くした?変なの。何で?僕ちゃんは首を傾げた。
気持ちが悪かったから、おめめ逸らして、僕ちゃんお目当ての掘り出し物を探す。「びーかー」とか「ふらすこ」とか、好きだった器を、向こうを気にしないようにして、手当たり次第に持ってく。もう勝手に持ってっても怒られることなんてないんだもんね。がっちゃがっちゃガッチャ、科学忍法火の鳥だ。
ちょっと夢中になってたら、なんか、ざりり、っていう気味悪い音がした。僕ちゃんまた手を止める。音がしたのはクイックストライクの方。ちらっとだけ奴のほーを見て、またまたびっくり。
甘いのかな。タランスの足があった場所は。
地を這う彼の舌にそう思う。やっぱり目がなんかうっとり。ううん、「うっとり」と、ちょっと違う。気になったから聞いてみた。何してるぶんサボるなぶん、そしたら暫くして溜息っぽく、
「邪魔すんじゃねぇよ、ギッチョン」
だって。
それっきりお話はナシ。でも僕ちゃん気になったからちょろっとあいつのこと見続けてた。
クイックストライクの目、うっとり、っていうか、じっとり、ってかんじに近い。
それから、少し遠くを見るような。
……あ、ヤだな。その目なんかヤだな。なんでだろう。嫌。ぶん。
見てたらあいつの手はだんだん足の方に降りてった。そこからは何となく見ちゃ駄目みたいだったから、「ぷらいばしー」を「そんちょー」する僕ちゃんはまたお宝探しを始める。偉いぞ。
蜂蜜みたいな音がクイックストライクから聞こえてきた。何なのか僕ちゃんには良く分からない。何か。何でか知らないけど。やっぱりちょっと。やなかんじ。
蜂蜜を聞きながら、僕ちゃんはおおかた欲しかったものは入り口まで運び終えた。調べ物はまだ全然。あいつさてはやる気ないな。
手伝わされないうちに、帰っちゃおうかな、と思って、僕ちゃんはそっとお部屋を出ていこうとした。用事は済んだぶん。宝物の玩具と、薬品臭さの確認。二つとも、大丈夫。
入口まで歩いて僕ちゃんは最後に一回振り向いた。奴は、うなだれた感じで瞼を閉じていた。
クイックストライク、僕ちゃんもう行くよ。そうて言おうとしたら、あいつは、あいつは、呟くように、
「……せん、せぇ。」
って呼んだ。
あ。
嫌な予感。
ヤなこと言う。
こいつ今からやなこという。
思った時にはもう遅くって。
「先生とのは、最高“だった”なぁ、ギッチョン……♪」
あいつは、言った。
…ああ。
聞いちゃった。
内容はよくわからない。
でも、僕ちゃん聞いちゃった。
……最高“だった”なぁ……
さっきから感じてたすっごく嫌な感じ。
ざわざわする感じ。
どきどきする感じ。
「もうない」感じ。
無臭、な、感じ……。
「……『だった』?」
僕ちゃんの口、勝手に動いちゃった。
クイックストライクがこっち見た。
「だった?だった?クイックストライク、なんでそーいうコト言うぶ〜ん?さっきっからさっきっからなんでそういうことばっかりするぶ〜ん?クイックストライク嫌いだぁ、違う違う、タランス?タランスは?タランスどこ?あれ、あれ?なんでいないぶ〜ん?
あれ?終わり?あっ、ああ、あ、あー、そーだあ、そーだぶ〜ん」
じっとりした目であいつは僕ちゃんを観察。だめ、口止まんない。
「ぶ〜ん、ぶ〜ん、そっかぁ、そっかぁ、僕ちゃんホントはサソリとトリの時に気付くべきだったぶ〜ん、だって、だって僕ちゃん達そーいう子達だぶん、ずっとばんばんばんばん、ばきゅーんばきゅーん、本来そーいう子達だぶ〜ん。でも皆僕ちゃんの下僕くん達は楽しくってむかついてケラケラと良い後輩達だったんだぶ〜ん、にこにことばきゅんが一緒に出来てたらどんなに、あでも、そう、昔は一緒にばきゅんやりながらもにこにこ楽しかったぶ〜ん、でもみんな変わっちゃうんだぶん、変わっちゃう、まずあの茶色い恐竜さんが居なくなって、オラオラ言っててカードゲームの弱いサソリも、やたらとママみたいに口うるさいトリも、そうもうあの二人、今はこの宇宙の何処探しても小指一つないんだぶ〜ん、僕達そういう子達だからきっとまた消えちゃう皆消えちゃう、蟻さんもコブラさんも加わってきっとまた楽しくなってくれるんだって思ったぶ〜ん、でも消えちゃった消えちゃったまた今度はタランスが消えちゃった、ぽっかりぽっかり、み〜んな「だった」になっちゃうんだぶん、ただ僕ちゃんは皆と楽しく宇宙征服したいんだぶ〜ん、僕ちゃんの手下皆いなくなっちゃうぶ〜ん、抱きつき心地の良かったタランス消えちゃった僕ちゃんがバラバラになったら直す役目のタランスが消えちゃって、あれ?じゃあバラバラになる僕ちゃんはこれから誰が直してくれるんだぶ〜ん?僕ちゃんタランスいないまま誰からも褒められないまま僕ちゃん毎日ばらばらばら?ばらららら?
ぶ〜ん、いない、いない、いないいないいないテラザウラーもスコルポスもタランスも皆皆皆皆皆みんなミンナ
あれ?
あれ?
あれ?
終わ」
「うっせェ」
僕ちゃんの意識はそこで途切れた。
多分クイックストライクが撃ったんだと思う。
だって目覚めた時は再生のお風呂だったもん。
…お風呂の中、水の中。
ぷかぷかしながら僕ちゃんは目を閉じた。
……皆、一緒。
終末が安楽の平常を生む
隣接した死と生きる軍人は極端だ
通常への固執は任務に支障を来す
あまつさえそれを取り戻そうなどと
…分かってるぶん。
騒ぐ程の事じゃない。
もう全部終わってる。
もう永遠に、返ってこない。
それでも
それでも「びーかー」や「ふらすこ」は、
僕ちゃんの大切な宝物なんだ。
湿った暗〜い地下室には、もう何の匂いもしない。
クモくんが死んで、三日が経っていた。
湿った暗〜い地下室には、まだタランスの匂いがした。
クモくんが死んで三日が経っていた。
…分かってるぶん。
死んだんでしょ?
騒ぐ程の事じゃない。
終わりなんて来ないから。
だってまだ匂いがする。
「んでェ?タランスは一体どこで死んだギッチョン?」
ずかずか部屋に入りながらクイックストライクは僕ちゃんに聞いてくる。
「僕ちゃん覚えてるぞ〜、蜘蛛さんは一等最初に発見した蟻さんが捨てちゃったけど、蟻さん、パソコンの横の「エネルギーぞーちょー装置」の前で爆発しちゃったって言ってたぶ〜ん。見たかったぶ〜ん僕ちゃん花火大好きだ〜。」
クイックストライクは「この辺かぁ?」とか言いながら装置をぺたぺた。指紋つけないでくださーい捜査出来ませーん、なんて僕ちゃんが言っても、無視してぺたぺた。
「足はどこに捨てたかって聞いたかい?」
ついには新しい話題とか出したりする。
「知らないぶ〜ん、ぜんぶぜんぶインフェルノが片づけちゃったぶ〜ん、それよりお調べするんじゃないの?ぶ〜ん」
「ギィーッチョ、そいつぁざんねん」
全然残念そーじゃない。にこにこぺたぺた。僕ちゃんのお叱りも全然気にしないんだ。
でも何で残念?あいつは目がなんかうっとりしてる。ぺたぺた。
クイックストライクが装置の前で立ち止まった。
「蜂さんはタランス先生、知ってんの?」
「ぶ?当たり前だぶ〜ん知ってるぶ〜んデストロンに入って来た時から見知ってるぶんっ」
「ま、そらある訳ねぇなぁ……ギッチョン。だめだあの人ぁ……うますぎた。惜しいねぇマジで惜しい。ホント…勿体ねぇって、ああ」
思い出すような目で呟く。その目がなんでか嫌な感じがした。不思議だなって思いながら見てたら。
凄くびっくりした。
あいつ、いきなり地べたに這い蹲りはじめてんの。
僕ちゃんびっくりだよ。何やってんだろ。お腹痛くした?変なの。何で?僕ちゃんは首を傾げた。
気持ちが悪かったから、おめめ逸らして、僕ちゃんお目当ての掘り出し物を探す。「びーかー」とか「ふらすこ」とか、好きだった器を、向こうを気にしないようにして、手当たり次第に持ってく。もう勝手に持ってっても怒られることなんてないんだもんね。がっちゃがっちゃガッチャ、科学忍法火の鳥だ。
ちょっと夢中になってたら、なんか、ざりり、っていう気味悪い音がした。僕ちゃんまた手を止める。音がしたのはクイックストライクの方。ちらっとだけ奴のほーを見て、またまたびっくり。
甘いのかな。タランスの足があった場所は。
地を這う彼の舌にそう思う。やっぱり目がなんかうっとり。ううん、「うっとり」と、ちょっと違う。気になったから聞いてみた。何してるぶんサボるなぶん、そしたら暫くして溜息っぽく、
「邪魔すんじゃねぇよ、ギッチョン」
だって。
それっきりお話はナシ。でも僕ちゃん気になったからちょろっとあいつのこと見続けてた。
クイックストライクの目、うっとり、っていうか、じっとり、ってかんじに近い。
それから、少し遠くを見るような。
……あ、ヤだな。その目なんかヤだな。なんでだろう。嫌。ぶん。
見てたらあいつの手はだんだん足の方に降りてった。そこからは何となく見ちゃ駄目みたいだったから、「ぷらいばしー」を「そんちょー」する僕ちゃんはまたお宝探しを始める。偉いぞ。
蜂蜜みたいな音がクイックストライクから聞こえてきた。何なのか僕ちゃんには良く分からない。何か。何でか知らないけど。やっぱりちょっと。やなかんじ。
蜂蜜を聞きながら、僕ちゃんはおおかた欲しかったものは入り口まで運び終えた。調べ物はまだ全然。あいつさてはやる気ないな。
手伝わされないうちに、帰っちゃおうかな、と思って、僕ちゃんはそっとお部屋を出ていこうとした。用事は済んだぶん。宝物の玩具と、薬品臭さの確認。二つとも、大丈夫。
入口まで歩いて僕ちゃんは最後に一回振り向いた。奴は、うなだれた感じで瞼を閉じていた。
クイックストライク、僕ちゃんもう行くよ。そうて言おうとしたら、あいつは、あいつは、呟くように、
「……せん、せぇ。」
って呼んだ。
あ。
嫌な予感。
ヤなこと言う。
こいつ今からやなこという。
思った時にはもう遅くって。
「先生とのは、最高“だった”なぁ、ギッチョン……♪」
あいつは、言った。
…ああ。
聞いちゃった。
内容はよくわからない。
でも、僕ちゃん聞いちゃった。
……最高“だった”なぁ……
さっきから感じてたすっごく嫌な感じ。
ざわざわする感じ。
どきどきする感じ。
「もうない」感じ。
無臭、な、感じ……。
「……『だった』?」
僕ちゃんの口、勝手に動いちゃった。
クイックストライクがこっち見た。
「だった?だった?クイックストライク、なんでそーいうコト言うぶ〜ん?さっきっからさっきっからなんでそういうことばっかりするぶ〜ん?クイックストライク嫌いだぁ、違う違う、タランス?タランスは?タランスどこ?あれ、あれ?なんでいないぶ〜ん?
あれ?終わり?あっ、ああ、あ、あー、そーだあ、そーだぶ〜ん」
じっとりした目であいつは僕ちゃんを観察。だめ、口止まんない。
「ぶ〜ん、ぶ〜ん、そっかぁ、そっかぁ、僕ちゃんホントはサソリとトリの時に気付くべきだったぶ〜ん、だって、だって僕ちゃん達そーいう子達だぶん、ずっとばんばんばんばん、ばきゅーんばきゅーん、本来そーいう子達だぶ〜ん。でも皆僕ちゃんの下僕くん達は楽しくってむかついてケラケラと良い後輩達だったんだぶ〜ん、にこにことばきゅんが一緒に出来てたらどんなに、あでも、そう、昔は一緒にばきゅんやりながらもにこにこ楽しかったぶ〜ん、でもみんな変わっちゃうんだぶん、変わっちゃう、まずあの茶色い恐竜さんが居なくなって、オラオラ言っててカードゲームの弱いサソリも、やたらとママみたいに口うるさいトリも、そうもうあの二人、今はこの宇宙の何処探しても小指一つないんだぶ〜ん、僕達そういう子達だからきっとまた消えちゃう皆消えちゃう、蟻さんもコブラさんも加わってきっとまた楽しくなってくれるんだって思ったぶ〜ん、でも消えちゃった消えちゃったまた今度はタランスが消えちゃった、ぽっかりぽっかり、み〜んな「だった」になっちゃうんだぶん、ただ僕ちゃんは皆と楽しく宇宙征服したいんだぶ〜ん、僕ちゃんの手下皆いなくなっちゃうぶ〜ん、抱きつき心地の良かったタランス消えちゃった僕ちゃんがバラバラになったら直す役目のタランスが消えちゃって、あれ?じゃあバラバラになる僕ちゃんはこれから誰が直してくれるんだぶ〜ん?僕ちゃんタランスいないまま誰からも褒められないまま僕ちゃん毎日ばらばらばら?ばらららら?
ぶ〜ん、いない、いない、いないいないいないテラザウラーもスコルポスもタランスも皆皆皆皆皆みんなミンナ
あれ?
あれ?
あれ?
終わ」
「うっせェ」
僕ちゃんの意識はそこで途切れた。
多分クイックストライクが撃ったんだと思う。
だって目覚めた時は再生のお風呂だったもん。
…お風呂の中、水の中。
ぷかぷかしながら僕ちゃんは目を閉じた。
……皆、一緒。
終末が安楽の平常を生む
隣接した死と生きる軍人は極端だ
通常への固執は任務に支障を来す
あまつさえそれを取り戻そうなどと
…分かってるぶん。
騒ぐ程の事じゃない。
もう全部終わってる。
もう永遠に、返ってこない。
それでも
それでも「びーかー」や「ふらすこ」は、
僕ちゃんの大切な宝物なんだ。
湿った暗〜い地下室には、もう何の匂いもしない。
クモくんが死んで、三日が経っていた。
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